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ITUYOGA

特定の流派には属さないハートオブヨガという理念を持ったヨガの先生。

スマートなヨガシークエンスを作る!12の添削用チェック項目

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組んだ、教えた、撃沈した。レッスン初日とはこういうものだ。

新米ヨガインストラクターがシークエンスを組んで、複数名を相手にレッスンに挑み、そして撃沈して帰ってくるのは恒例行事と言ってもいい。仮に全ての生徒が大満足して帰っていったのであれば、それは奇跡という他ない。

ヨガのシークエンスは科学に則って組むシステマチックな理論の産物にすぎない。よって、学習次第で誰にでも作れるようになる。詳しい組み方に関しては当ブログの人気記事となっているが、より機能美に溢れたシークエンスの添削方法について改めて解説しよう。

400本のヨガシークエンスを作った僕が、生徒に最適なプログラムの作り方を伝授 - ITUYOGA

ご紹介するチェック項目を丁寧にクリアしていけば、生徒の満足度は向上し、あなた自身にかかるレッスン中の負担も大きく軽減されるだろう。

 

 

 

チェック項目

まずは大前提となる、シークエンスを組む以前の問題から見ていきます。続いて12個のチェック項目を紹介します。

 

0、いきなりシークエンスを組まない 

  1. 対象者は誰で、どんな目的でヨガをしたいのか?
  2. ヨガマットではなく机の上で組もうとしてないか?
  3. 本や教科書のポーズだけを使おうとしてないか?

対象者は誰で、どんな目的でヨガをしたいのか?

まずは対象とする人が誰なのかをハッキリさせよう。20代の健康なアスリート集団を相手にするのか、80代の腰痛や肩こりに悩まされる老人ホームの人たちが相手なのか。ここがブレるとどんなにロジカルに組み立てても意味のないものになってしまう。

 

ヨガマットではなく机の上で組もうとしてないか?

そして、机の上でシークエンスを組もうとしていないだろうか。身体を動かしながら、ポーズからポーズへの移り方や、分解して教える場合のアイデアを出していこう。机の上では凝り固まった肌感のないものになる。

 

本や教科書のポーズだけを使おうとしてないか?

また、本や教科書に載っているポーズだけを参考にしていないだろうか。現場は指導者養成講座とは違う。正式なヨガのポーズであることより、目的に寄り添ったシンプルな「動作」のほうが効果が出ることもある。単純に両手を上げ下げするだけでも肩の健康にいいし、教科書に載っていない変形のさせ方でも問題ない。

 

1、組んだシークエンスを削ったか

シークエンスにムダなポーズはいらない。文章と同じだ。「同じことが伝わるなら、少ないほうがいい」これが真理だ。シークエンスでも同じことが言える。練習する人にとって意味のない要素は削ろう。

  • 自分が好きだから入れた
  • 時間稼ぎに太陽礼拝入れた

こういった理由はノイズにしかならない。シンプリシティこそがヨーガスートラにおけるタパスだ。

 

2、ポーズを入れた理由を答えられるか

生徒にとって意味のないポーズは省こう。

「このポーズを入れた理由は?」と突っ込まれて答えられないなら、そのポーズは省くべきだ。

「ここが後屈だから、中立のカウンターポーズとしてツイストを入れました」と答えられるならOK。

 

3、もっとも軽減されたポーズで構成したか

幅広い年齢層、体の特性を持った生徒が来るのだから、一番体の弱い人を基準にするべきだ。なのでもっとも軽減されたポーズを紙に書き出そう。

身体が動く人がいれば、それよりも難しいバリエーションを教えればいい。

例えば、木のポーズ(ブルクシャーサナ)なら「上げた脚のつま先は床につけ、両手は胸の前で合掌」という最も軽減された木のポーズを用意する。できる人は一般的な形まで持っていけばいい。

なお、インストラクターは絶対に一番軽減されたポーズでデモンストレーションをすること。あなたのポーズを披露するステージでは断じてないし、生徒にプレッシャーをかけてしまう。

 

4、プロップス(補助具)に依存していないか

プロップスは存在しないものだと考えよう。あらかじめないことを前提に組むことが最良の方法。

  • ベルトはない。タオルも小さくて代用できそうにない。
  • ブロックはない。場所によってはイスもない。
  • ボルスターはない。あると思ったら大間違い。
  • 壁も使えるとは限らない。窓や、ポスターがあるからだ。
  • ブランケットはない。ヨガで使えるようなものはない。
  • ティンシャもない。自前で持ってくか、アプリを使おう。
  • ヨガマットがあれば御の字。ただし、自宅で使ってるものよりも滑りやすい。

プロップスは一つもないと思っておくくらいで丁度いい。あったらラッキー、道具がなくても教える機会がある幸せ。それがサントーシャ。

 

プロップス依存性

ヨガインストラクター養成講座では道具が当たり前にあることが前提で教えられる。 しかし、現場は違う。何もないところでやるのが当たり前だ。出張クラスをするとき、企業にレッスンをするとき、公民館を借りるとき、道具がないと慌てふためく。

 

最良のプロップスは生まれ持った呼吸と身体だ。

わたしたちには、呼吸というプロップ(補助具)があります。吸う息と吐く息の融合。強さと受容性の融合。それが、わたしたちが人生で手にしているプロップなのです。

マーク・ウィットウェル

 

 

5、ポーズは本当に簡単か

 どうか落ち着いて聞いてほしい。あなたが簡単だと思っているベーシックなポーズは、ヨガ未経験者は、何一つできない。これは事実だ。

初めての人にとって、ヨガのポーズは未知の領域だ。身体なんか思うように動かない。どんなに優れたインストラクションでも、誘導できない。

驚くことなかれ。「手を上げる、下げる」といった動きすら思うようにいかない人もいる。

 

さらには、座ることすらままならない人もいる。蓮華座(パドマーサナ)は組めない。吉祥座や達人座(スヴァスティカーサナ、シッダーサナ)も辛い。安楽座(スカーサナ)ですら、補助具がないと猫背になってしまう。それくらい、現代人の体は硬い。

指導者養成講座を基準に考えると痛い目にあう。現場の洗練だ。

 

6、時間配分は妥当か

ヨガにおいて60分という時間は、エクスプレスクラス(特急列車)と呼ばれる。

シャバーサナの時間をクラスの10%は必要(6分)。チャンティングをしたり、呼吸法と瞑想に25%(15分)を費やすとしたら、アーサナの練習時間は35分前後となる。

アーサナは太陽礼拝、立位、あお向け・・・などの要素が7つほどあり、1つの要素に避ける時間は5分だ。ポーズの数は1つの要素につき、1つか2つが限度だ。太陽礼拝なら3回が限度。

よって、回数を稼いだり、時間を稼ぐ目的でポーズを重複させることはやめよう。 立位のポーズに偏って、座位や逆転の時間を取れなければヨガの恩恵は減少する。

 

若年者から30~40代の人に適切な時間配分はこちら。年齢が上がる事にアーサナの時間は短くなり、瞑想や呼吸法の時間が長くなる。シークエンスの組み方解説の記事で詳しく説明しているので参照してください。

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 参照:シュリバタ・ラマスワミ『ヨガにおける人生の3ステージ(未邦訳)』

 

 

 

 

7、デモンストレーションしなくて済む余裕があるか

あなたはヨガのポーズを上手にデモンストレーションしたり、インストラクション(ガイド)することをヨガインストラクターと思っていないだろうか?

それは半分だけ正解だ。上手なヨガインストラクターほど、デモンストレーションの回数と時間が少なく、生徒が安全にポーズが取れているか確認するものだ。必要ならアジャストメントをする。

そのために、自分がデモンストレーションし続ける必要がある説明に難しいポーズだらけになっていないか確認しよう。

 

8、カンペを見ないで教えられる内容か

 自分が混乱するほど複雑なシークエンスは生徒が覚えられない。結果、自宅で練習を始める生徒が育たず、依存に繋がる。流れを覚えてもらえるくらいシンプルなほうが、受ける側は安心する。次から次へ難しいポーズが続けば、生徒は不安を覚える。

 

9、実際に自分で練習したか

自ら練習をしていない内容を教えるヨガインストラクターはプロではない。

  • 味見すらしたことの無い料理を客に出す料理人はいない
  • 弾いたことも聴いたこともない曲を教えるピアノ教師はいない
  • デバッグをしていないゲームを売り出すゲーム会社はない

よって、自分で練習したことのない内容を教えるヨガインストラクターはプロにあらず。Q.E.D.

 

10、幻想上の完璧なシークエンスを求めていないか

あなたが持ちうる知識、時間といったリソース全てを集めた内容でも完璧は有り得ない。

レッスンにやってくる生徒によって状況は変わり、全ての人にピッタリのシークエンスなて絶対に組めないと断言できる。

よって、完璧さを求めるなかれ。ただし、最善を尽くすこと。あなたは常に最善を尽くしています。それを認識しましょう。それこそがイシュワラプラニダーナ。

私たちは今まで最善をつくしてきました。ヨガではそれをイシュワラプラニダーナといいます。最善だと感じないのであれば、ヨガのプラクティスをして下さい。いずれそう感じるでしょう。もっとうまくできるというのは社会的幻想です。

ハートオブヨガ講師 小野洋輔

 

 

 

11、教えたあとの見直しをしたか

実際にレッスンをしたら見直しをしよう。前回、前々回の反省を活かして、どこを削るべきかを考えよう。こんな反省点が見つかるかもしれない。チェック項目の1番目からもう一度読み直して、組み直してほしい。

  • 生徒にとってポーズが難しすぎた
  •  デモンストレーションにリソースを取られた
  • 複雑な流れでカンペに頼りっきりだった

 

12、自分の練習を毎日続けているか

シークエンスが組めることは重要なスキルだ。しかしそれは毎日のヨガプラクティスがあってのもの。自分が練習をしていないと、自分自身が流れを覚えられずカンペに頼りっきりになったりする。ポーズの回数や時間を把握できず時計とにらめっこするハメになる。

普段から練習している人と、そうでない人の作るシークエンスから感じられる肌感は段違いだ。イキイキとした生命力を感じさせるヨガか、机の上でパズルのように組み立てただけのヨガか。違いは練習を毎日しているかどうかだ。

 

まとめ

 良質なシークエンスを組めることは自信にもなる。手間はかかるが、一度組み上げれば大きく変更する必要はない。レッスンに来た人の特性や要望に合わせて1つか2つ違ったポーズを入れてみればいい。

高頻度でシークエンスを変更することは避けよう。生徒の依存に繋がるし、あなたが本当にかけるべきエネルギーと時間が削られてしまう。貴重なリソースは練習や仕事、あるいは日常生活を豊かにする方向に使おう。

ヨガのシークエンスはシステマチックで、論理的な科学の産物だ。生徒に満足してもらうには感覚だけではうまくいかない。記事に書いたことを参考に、何度もブラッシュアップを重ねてもらいたい。

新米ヨガインストラクターがティーチングスキルを高めるには

クラスに人が集まらなくなってきませんか?どんなすばらしいものを伝えていても、その伝え方が不適当だと残念ながら人は離れます。
あなたのクラスに来る人を適度に増やすことは可能です。20人は入るスタジオなのに0~3人程度しか集まらないなら、それは少ないですよね。
しかし、10人程度に増やすことは難しくありません。実際に私は、3人だったクラスに10人集めることができました。

 

オマケとして、この記事を購入された方には30分のお試しコンサルティング(相談)をおつけします。

 

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教え子の中にはすでに自分の教室を始めた方もいらっしゃいます。 

 20代、30代の方は特に冷静になって考えてみてほしいのですが、僕たちが定年する頃まで、いまいる会社が存続している可能性は低いです。それくらい企業の寿命はどんどん短くなっています。

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