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ITUYOGA

特定の流派には属さないハートオブヨガという理念を持ったヨガの先生。

ヨガ映画で笑って泣けたおすすめの作品『シャンティデイズ』

tips

マットブラックに塗装されたクロスバイクに跨り、茜色の夕焼けに向かって駆ける。師走が風に姿を変え、頬を強く撫でる。数キロ走ったところでコンビニで休憩。再び愛馬に乗り、目的地の映画館を目指す。

お目当ての上映作品は「シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸」だ。日本ヨガ業界の大御所、綿本彰氏が監修についた、観るヨガだ。

2キロほど進むと公園ーーーこのご時世のわりに器具に恵まれたーーーを見つける。器械体操の種目にもなっている平行棒で遊んだ。腕支持になり、両脚を前後に大きくスイング。さすがに倒立まで持っていくのは怖くてできなかった。上半身の筋肉が服の内側で隆起して、熱を生んだのを確認して再度映画館へ向かう。

2014年の冬のことだった。僕はどうしても映画が観たくなった。わざわざ遠い映画館に行かなくても観ることもできたのかもしれないが、どうしても地域で一番早く上映を始める映画館に行きたくなった。大学生がその気になれば10キロくらい、軽々と走り抜ける。

 

 

あらすじ

青森から来た田舎娘と東京で活躍するトップモデル。
まったく接点のない二人を結びつけたのは、ヨガだった。

青森から上京してきた本沢海空(みく)は、テレビで見かけたトップモデル兼ヨガインストラクターKUMIの美しさに憧れ、
彼女のヨガレッスンに通いはじめる。ストーカーのようにつきまとう海空にKUMIはペースを乱されまくるが、
海空の屈託のなさは、大都会で一人隙を見せずに頑張ってきたKUMIの心を溶かしていく。
海空はKUMIに友達のぬくもりを、そしてKUMIは海空にヨガとファッションを教え、いつしか二人はかけがえのない友達に。
しかし、そんな矢先に頑張りすぎたKUMIが倒れてしまう--。

 

おすすめする理由

ネタバレにならない程度に『シャンティ デイズ 』の魅力をご紹介します。

  • ヨガ経験の有無に関係なく楽しめる
  • ストーリー重視でコテコテのヨガ映画ではない
  • 人間の温かみに触れることができる

ヨガ経験の有無に関係なく楽しめる

まず、ヨガの映画といっても、ヨガの知識がなくても楽しめるようにできています。監修に綿本彰氏がついていますが、ヨガスタジオに初めていらした方にも理解できるような配慮を感じました。

ヨガの知識を貪欲に学ぼうと押する人には物足りないと感じるかもしれません。事実、当時の僕は知識を求めるタイプだったので。ですが、3年も経つと精神的に成熟してきたおかげか、「ヨガは知識ではなく、生きることそのもの」じゃないかと思うようになりました。

 

ストーリー重視でコテコテのヨガ映画ではない

先ほどの内容とかぶりますが、ヨガの聖者や高名な指導者が出てくるドキュメンタリー映画ではないので、スピリチュアルな気持ち悪さは感じませんでした。ごく一般的な日本のドラマと同じように、一般の人にも受け入れてもらえるような内容です。

シャンティは「幸せ、至福、平穏」を意味するサンスクリット語だが、名前の通り「幸せとはなんぞや?」ということを考えさせてくれます。ちなみに他に出てくるサンスクリット語は「ソーハム」くらい。「宇宙と私は一つなんやで」っていう意味のおまじない。

 

人間の温かみに触れることができる

門脇麦演じる田舎娘の海空、道端ジェシカ演じるヨガインストラクターのKUMI。まるで正反対の凸凹コンビのコメディから始まります。田舎から出てきたばかりのど田舎女子がヨガに出会い、都会の荒波で心の冷め切っていたKUMIにストーカーのように付きまとう。

なんやかんやあって徐々に打ち解けていく二人。しかし幸せはそう長くは続かなかった・・・という、よくありそうなテンプレ的な展開ですが、ところどころに出てくるヨガの心得には「なるほどな」と膝を打つことも。

 

まとめ

いい作品でした。10キロの道のりと、チケット代を払っても納得できる内容でした。日本で大ヒットするほどのドラマ性はありませんが、ヨガが好きな方なら一度は観ても損はしないと思います。

残念だった点は、ヨガの勉強にはならなかったことでしょうか。勉強より、ストーリーを楽しむ目的でご覧になったほうがよいかと。

最後に監修の綿本彰氏が瞑想のインストラクション(ガイド)をしてくれるんですが、これもなかなかよかったです。気分がよくなりました。

 

スタッフキャスト

【キャスト】:門脇 麦
道端ジェシ
ディーン・フジオカ
葉山奨之
石田ニコル
坂口健太郎
高谷智子
綿本 彰
鶴見辰吾
木内みどり
螢雪次朗
村上 淳
【スタッフ】
脚本・監督:永田 琴
音楽:戸田信子
瞑想:椎名慶子
瞑想音楽:寺田志保
エグゼクティブプロデューサー:鷲見貴彦
企画・プロデュース:木幡久美 木村麻紀 伊藤江里
プロデューサー:小室秀一 八尾香澄 宮田幸太郎
撮影:板倉陽子
照明:中村裕樹
美術:富田麻友美
録音:田中博信
装飾:澤野五月
編集:山中貴夫
スタイリスト:植田瑠里子
ヘアメイク:細川昌子
スクリプター:増田千尋
助監督:兼重 淳
制作担当:新藤天朗
制作プロダクション:スタジオブルー
プロダクション協力:C&Iエンタテインメント

 

書籍版、DVD版、ブルーレイ版があります。保存しておきたい方は購入されてみては。試しに観るだけなら、お近くのTSUTAYAなどでレンタルがよいかと。