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ITUYOGA

特定の流派には属さないハートオブヨガという理念を持ったヨガの先生。

90分をあっという間に感じさせるヴィンヤサヨガクラスを作るベーシックテンプレート

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良いヴィンヤサヨガのシークエンスとは、次の条件を満たしたものだ。

  1. 1から10までが綿密に意味をなして組み立てられている
  2. 幅広い特性の生徒が問題なくついてこれる許容性をもっている
  3. かつ多くの生徒のニーズに応えられるバランスのとれた内容

とくに「2」の許容性は、スタジオの経営面に大きく影響する。許容性の少ないヨガクラスはコミュニティを小さくし、縮小していく恐れがある。現実的なことを考えるなら、今日ヨガを始めたばかりの人から10年やっている人までが一緒の部屋にいられることが望ましい。

 

たいがいの体験者が口を揃えていうのは「ヨガをやったら筋肉痛になった」というものである。これは指導者の準備不足といってもいい。

 

柔軟なクラス作りをしていれば翌日にはエネルギーが湧いてきて元気に仕事へいけるような状態にすることだってできる。

 

もちろん、簡単なことではない。しかし新規参入を阻むようなことをしていればいずれはクラスに人がいなくなってしまう。この記事では90分のヴィンヤサヨガクラスを組む方法と、それを安全に提供するコツについて扱っていきます。

ヴィンヤサとは

ヴィンヤサのことを「呼吸と動作をひとつにして動くこと」だと思っている人は多い。たしかにそうなのだが、実際は「順番を守ること」と認識する方が正しい。

例えばヘッドスタンド(シルシャーサナ)を練習するさいにシークエンスの頭に持ってくるようなことをしたらどうなるだろうか。

体が温まっていない状態でやれば当然、怪我をする。

適切な順番を守り、特別な方法でポーズを配置していくことがヴィンヤサの極意だとぼくは思う。

ヴィンヤサクラスの講師の役割

ヴィンヤサクラスをもつとき、必要な役割がいくつかある。

  1. 生徒の現実的なレベルに合わせたシークエンスを作る。
  2. 観察し、コミュニケーションをとり、安定して快適に練習ができるよう助ける。
  3. 洗練されたガイドで情報を的確に伝える努力をする。

特に[2]は大きな要素だ。多少、シークエンスやインストラクション(ガイド)が荒削りでも、大きなケガや問題につながることはない。

しかし講師と生徒のあいだにコミュニケーションがないことは危険を生む。あまりしゃべるのが得意でなければそれはそれでいい。

よく生徒を観察して心地よくヨガができているか確認をしてあげよう。そして一言だけで十分だから声をかけてあげよう。

ヴィンヤサクラスの構成

以前、シークエンス作りの方法に関する記事にもヴィンヤサ・クラマのことを書いたと思う。ここでは簡単に解説するだけにとどめよう。

よければ参考にしてほしい。

 

yuta.ituyoga.com

 

プールヴァ・アンガ

まずは身体を温め、神経を目覚めさせるシンプルな動きから始めよう。

手を上下に動かすだけとか、キャットカウ(牛と猫のポーズ)のようなシンプルな動きでもいい。

プラダーナ・アンガ

練習の核と言える部分。ヘッドスタンドのような難しいポーズが中核に来る。ポーズの王様と言われるのがヘッドスタンド(シルシャーサナ)なのだから、それ以上に難しいポーズを入れる必要はあまりない。

ウッタラ・アンガ

体と神経を徐々にクールダウンさせて屍のポーズ(シャバーサナ)へ移行していくパート。そのあとにプラーナヤーマや瞑想をやって練習を締めくくる。

ヴィンヤサクラスのベーシックテンプレート

  1. ウジャイ呼吸
  2. 体を温めるシンプルな動作
  3. 立位
  4. 太陽礼拝
  5. アームバランス
  6. 逆転
  7. 後屈
  8. ツイスト
  9. 前屈、ヒップオープナー
  10. シャバーサナ
  11. プラーナヤーマ
  12. 瞑想

これがベーシックテンプレートになる。

これをもとに順序立てて組み立てれば安全にヘッドスタンド(シルシャーサナ)までもっていける。そのあとにショルダースタンドを行い、アーサナの王と女王を制覇する。

この2ポーズにアーサナの効果を十分に得ることができる。当然ながらフルポーズをやる必要はない。ドルフィンポーズやヴィパリータ・カラニのような簡易バリエーションを行えば十分だ。

けっして複雑怪奇なアーサナを盛り込まないほうがいい。ヘッドスタンド以上に難しいアーサナは必要ない。後屈して足と頭がくっつくような蠍のポーズ(ブリュシュチカーサナ)は体が特殊な人のためのもので、世界の大半の人にとっては必要のないことだ。

安全性

ヴィンヤサクラスでは未熟な指導者による怪我が多い。クラスで起きたことには責任を持つこと。と、同時に致し方がなかったという諦めも必要になる。引きずりすぎて翌日のクラスに影響を出さないように。

呼吸
  1. 呼吸が始まってから身体を動かしていく
  2. 身体が止まってから呼吸が終わる

この2つの原則を守れば安全が保たれる。つまり呼吸が動作を包み込むような感じだ。

近年のフィットネスジムでは研修不十分なインストラクターや自身の練習が不足しているためにガイドが未熟な場合も多い。教わる側がこの基本を分かっていれば、まず間違えることは少ない。

アジャストメント

インストラクターによってはアジャストメントをする場合もある。熟練の講師から習っている場合なら、生徒にとって最高の手助けになるが、未熟な場合は生徒の怪我につながる。実際にぼくの友人のなかにも下手なアジャストメントで怪我が悪化したケースがある。

自分がレッスンを受ける場合はあらかじめインストラクターに申し出ることが必要だし、クラスを持つ場合は怪我の有無を確認しよう。

エッジ

境界線を意味するエッジという言葉。生徒さんにはエッジを超えさせないように指導をしよう。これ以上伸ばすと痛みがあったり、アライメントを保てなかったりするラインよりもずっと手前でも十分効果があることを伝えること。

「無理しないで」と口でいったとしても、周りの雰囲気やシークエンスの運び方に流されてエッジを超えている初心者も多い。

クラス全体が簡単なバリエーションを行い、余裕が見られる生徒にだけ応用的なバリエーションを提示していけばいい。

シークエンス作りのコツ

ぼくは今までに数百本のシークエンスを組んできたが、いくつかのコツを紹介しておく。

動から静

例えばこういうこと。

  1. ダウンドッグとアップドッグを繰り返すような動きを数回繰り返す。
  2. その後、ダウンドッグとアップドッグそれぞれで5呼吸ホールドする。

身体を呼吸にそって動かして、動きを止めて身体の内側にある呼吸の動きを感じる。

これだけで意識が深く呼吸に向かっていくのがわかるはずだ。ヴィンヤサヨガだからといって常に動き続ける必要はない。

非暴力(アヒムサ、アヒンサー)

身体に対して非暴力(アヒムサ、アヒンサー)的なシークエンスやインストラクション(ガイド)であること。

けっして「もっと伸ばして」という雰囲気のクラスにしないこと。「ここまででいい」という安心感を持たせることで怪我の予防になる。

不貪(アパリグラハ)

生徒と講師の両方が「もっとポーズを深めなきゃ」という心理でやっていると怪我をする。

常に快適に呼吸がとれて、痛み無くアーサナが取れていることがヨガの条件だ。

過剰に伸ばしすぎたり、倒しすぎることはマインドにとっても肉体にとっても不健全極まりない。

プラクティスをしていること

講師が普段から自分のプラクティスをしていることは必須条件といっていい。どんなに短くてもいい。ぼくは時間がなさすぎるときは2分の練習をしている。おすすめは7分ほどのシンプルなプラクティスをすることだ。ヴィンヤサクラスをそのまま縮小したような内容がいい。太陽礼拝だけというのはやめよう。

まちがってもクラスのなかで自分の練習をしようとしないこと。

アーサナ、プラーナヤーマ、瞑想
  1. アーサナ
  2. プラーナヤーマ
  3. 瞑想

アーサナが終わったらプラーナヤーマと瞑想の時間を取ろう。

90分あるならぼくはこうする。

対象が30代くらいの女性が中心の場合

  1. トーク 30
  2. アーサナ 40
  3. シャバーサナ 10
  4. プラーナヤーマ 5
  5. 瞑想 5

必ず最初に生徒とコミュニケーションをとろう。時間はもっと短くてもいいが、まったくのゼロだと生徒の様子がつかめないし、予想もしなかった事態を避けることができる。*1

そしてアーサナはクラスの半分以上はやろう。以前、話が長すぎて苦情がはいった。ただし、ほとんどがアーサナの時間にしてはならない。これはヴィンヤサヨガのクラスであり、アーサナの特訓道場ではないからだ。

まとめ

実際にすばらしいシークエンスが組めたら、今度は自然体かつ魅力的なインストラクションやデモンストレーションをおこなってクラスを引っ張っていかなければならない。

ヴィンヤサヨガのクラスでは、プレゼンテーターのような役割をもつこともある。

伝統的なハタヨガのクラスではプレゼンテーターとは真逆のスタンスで教える場合もあるが、ヴィンヤサヨガでは生徒をひっぱっていく必要がある。

 

なのでいずれはリーダーシップを発揮して生徒を引っ張っていくことについても書いていきたい。

実際にクラス運びをしていくときに悩んだり困ったりすることがあると思う。

 

そんな時の相談役として一役買おうと思います。実際に初心者インストラクターの女の子の指導をしたことでヨガの教え方に大きな変化がありました。

まずは相談のメールだけでもどうぞ。kasiwabara2013あっとgmail.com

あっと、を@にして送信してください。

*1:例えば、実は右手首を怪我していてダウンドッグが辛いということ。寝不足でヘッドスタンドは避けたいこと。彼氏とケンカして心ここにあらずということ。