インストラクション(ガイド)って難しいと思ってませんか?
あなたは、どれだけレッスンをこなしてもうまく伝わらない現実にやきもきしていないでしょうか。
もちろん、インストラクションがすべてというわけではない。
それでも、多くの人に伝わると楽しいし、ティーチングに取り組む姿勢も変わってくるよね。
でも、多くの方が「インストラクションはむずかしくて緊張しちゃう」「どうやってポーズに誘導すればいいの?」と悩んでいる。
もしかしたら、その原因は、実は非常に単純なことが積み重なってるだけかもしれない。
そこで、ヨガを多くの人に伝えるために必要なコツを紹介しましょう。ぜひ、一度試してください。
- インストラクション(ガイド)って難しいと思ってませんか?
- 継続すること。改善し続けること。
- プロ一押し!インストラクション(ガイド)のコツ
- スクリプト(台本)を書いてインストラクションの反復練習をしてみよう!
- インストラクションができる先生。うまい先生。さらにその先を伝える先生になろう。
継続すること。改善し続けること。
まだうまくインストラクションができない人には理解されないかもしれないが、お伝えしたことを守るだけで見違えるようによくなる。
それこそ、素人目に見ても「変わったね」「本当のインストラクターみたい」と言われるでしょう。
ただし、一回ですべてを身につけることは不可能。なので継続して教え続けてください。
ここでは500回以上のレッスンをやってきた経験から話します。
1回ごとに洗練させ、積み重なったものをお伝えします。
この積み重ねは今なお続いていて、この記事も数ヶ月もたつとリニューアルされています。
そう、ブログのデザインが徐々によくなるように、言葉選びも変わっていきます。
事実、すでに6回以上の書き直し*1を重ねています。その微妙なニュアンスの違いの積み重ねが、大きな違いになります。
プロ一押し!インストラクション(ガイド)のコツ
インストラクターが生徒さんを誘導するインストラクション(ガイド)は、あまり重要じゃないと言うが、
実は、ぼくはその意見には反対します。ぼくは、多くの人にわかりやすく伝えてこそ、初めて中身を見てもらえると考えるからだ。情報を的確に伝えるジャーナリストのように、情報伝達のプロがインストラクターです。
なぜなら、ヨガインストラクターが日に日に増えている現在、多くの人に伝えられる技を持っている人は抜きん出ることができます。多くの人にヨガをシェアでき、後押しされるインストラクターです。
そして、幸運なことに、僕自身も安定した集客ができるようなインストラクターになってきた。
ヨガインストラクターを始めて数年目としては、胸を張って良いレベルだと思う。
そこで、本日は、ぼくがレッスンで徹底しているコツをご紹介します。おまけに今から使える、ヨガのシークエンスの台本も用意しました。
そして、これを知れば、誰でも多くの人に伝えられるヨガインストラクターになることも可能です。
それは下記の通り。
- 体言止め。または「~して、~して、~しましょう」
- 指示代名詞は使わない
- イントネーションをハッキリ、語尾を下げて
- 接続語、「え~と」をなくしてシンプルに
- インストラクターはデモンストレーションに没頭しない
- 「なにを言うか」も大事だが「なにを言わないか」も大事
では早速、お伝えしていきます。
1、体言止め。または「~して、~して、~しましょう」
だいたいのヨガインストラクターは、2パターンに分かれると分析しました。
体言止め
「深い呼吸。吐き切って。3呼吸ホールド」
「~して、~しましょう」の方式
「吸って右手を遠くにのばして。吐いて右手をスネに置きましょう」
呼吸に乗って流れるクラス
「吸って~して、吐いて~しましょう。 吸って~アーサナ、吐いて~アーサナ」
かなり削り落としたシンプルなインストラクションですが、まずはこのくらいから徐々に言い回しを口に覚えさせましょう。
慣れてきたらインストラクションに装飾(キューイング)をつければいいのです。
よくないやり方
「吸う息で右手を持ち上げていただけますか?そして両手を合掌してもらえませんか?」
インストラクションは誘導ですから、尋ねないでください。
2、指示代名詞は使わない
指示代名詞を省いていきましょう。指示代名詞とは具体的には「これ、あっち、こういうふうに」という表現のこと。
代名詞を使わず、具体的に「右手、天井へ、空をつかむように」という名前を使います。
仮に、生徒さんが目を閉じていたとしても伝わるくらい、指示代名詞を減らしていこう。
- 身体・・・右手、足の親指、ふくらはぎ
- 空間・・・天井、大地やマット、入口側、私のいるほうのカべ、左右上下
- どのように・・・抱きしめるように、つまさきを反らすように、マットをつかむように
目を閉じてたら伝わらない例
「この手を、あっちのほうへ、こんなふうに伸ばして」
これで誘導できたらマジシャンだよ。
目を閉じても伝わりやすい例
「右手を、扉のあるほうへ、恋人の手をつかむように伸ばして」
どうですか?こっちなら恋人の手はともかく、伝わりそうです。
3、イントネーションをハッキリ、語尾を下げて
ヨガのポーズ名はサンスクリット語だったり英語の場合も多く、日本語にしても聞きなれない表現が多いです。
句読点(ピリオドやコンマ)を打つようにピタッと止めること。
句読点ごとに一瞬の「間」をおいてしゃべることで、表現力豊かになるでしょう。
これは知らない人が多いのですが、語尾が上がるインストラクションはすごくイラッとします。
実際にこんなインストラクション(ガイド)をする先生がいました。
「両足をリラーックス、腰のあたりをリラーックス、胸のあたりもリラーックス、両腕もリラーックス、頭の中もリラーックス・・・」
もう、お腹いっぱい・・・ごめんなさい許してください。
4、接続語、「え~と」をなくしてシンプルに
アナウンサーのように美しいインストラクションでなくても問題はありません。
ですが、聴きにくいより、聴きやすいほうがいい。
「えーと」などは僕もたまに出ますが、意識することでずいぶんと減りました。
頭に言うことを浮かべて、ペラペラっとしゃべりきる。
言いたことが浮かんだら、頭の中で全て浮かべてから、しゃべりきるようにしましょう。
思いつきながらではこんなまとまらないインストラクションになります。
「ええと・・・では・・・両手を床について・・・(指のことを思い出す)あ、あと指先を開いて(背骨のことを思いつく)背骨は緩やかに反ります・・・(目線のことを思い出す)あ、目線を正面に」
まとまらないまま話し出すと、言いたいことが脱線します。
このように、まとまってから流れるように伝える努力をしましょう。
「(一連の流れを頭で反芻)では、指先をひらいて両手を床につきましょう。目線は正面にむけ、背骨はゆるやかに反りましょう」
接続せず、言い切ること。
「だけど、しかし、さらに」などが接続語。
悪い例をあげればこうでしょうか。
「息を吸って両手を持ち上げて、さらに、天井へのびるように、しかし、下半身は床にどっしりと、だけど上半身は軽やかに」
このとき生徒さんは「ええ、まだ指示が続くの!?」と思っていますよ。
僕ならこうします。
「息を吸って両手を持ち上げて。天井へのびるように。下半身は床にどっしりと。上半身は軽やかに」
ピリオドを打つように言い切る。一瞬、間を取ることで生徒さんも頭の中で情報を整理できます。
シンプルとは手抜きのことではない。
5、インストラクターはデモンストレーションに没頭しない
インストラクターがずっとポーズを取り続けるのは、新米ヨガインストラクターにありがちなミスです。
早いとこそういったデモンストレーションから抜け出してインストラクションを身につけましょう。
何度もデモンストレーションして見せなきゃいけないような複雑なポーズなんてそうはありません。
人は立つほうが声が出ます。歌手を見ればわかるように、座ったり寝っ転がって歌う歌手はいません。
視線が高くなると、場を把握してアイコンタクトを送れます。
生徒さんが「これで大丈夫かな?」という顔をしていたら「それで大丈夫です」というアイコンタクトを。
立って見回ってたほうが、様子を掴むことができて、安全にクラスを進められます。
事実、ヨガの映画『シャンティデイズ』ではポーズを取らずにインストラクション(ガイド)するシーンがほとんどでした。
6、「なにを言うか」も大事だが「なにを言わないか」も大事
「沈黙は金なり」
スクリプト(台本)を書いてインストラクションの反復練習をしてみよう!
とくに新米ヨガインストラクターさんほど効果的です。
ヨガインストラクターになりたての頃は頭が真っ白になりますから、インストラクションになれましょう。
何にでも言えますが、準備を重ねると緊張はグッと抑えられます。
なんにも言葉が出なくなったら悲しいですからね。
ためしに太陽礼拝、サンサルテーションのスクリプト(台本)の例を作りました。よければ練習に使ってください。
息を吸って両手を回しあげて頭の上で合掌します
息を吐いて両手を足元へおろし立位の前屈
吸って両足を後ろに引いて腕立て伏せの姿勢 板のポーズ
はいてそのままキープ できる方は床スレスレに降ります
吸う呼吸で上体起こしアップドッグ上向きの犬のポーズ
吐く息で腰を天井の方へ引き上げダウンドッグ下向きの犬のポーズ
3呼吸ホールドしましょう
(その間、必要なら呼吸をカウントするか、アライメントのことを伝える)
吸って両手の間まで歩きます
上体を半分起こし手をスネかモモに置いていきましょう
息を吐いて再び前屈します
吸って上体を起こし両手を横から回して頭の上で合掌
吐く息で両手を体の横へおろします
インストラクションができる先生。うまい先生。さらにその先を伝える先生になろう。
生徒さんから「やっぱり、ゆうた先生は教えるのうまいわね」と言われた。
やったぜ。
と、喜んでみたが、教え方がうまいのは当たり前の条件だと思ってる。
それ以上に、生徒さんによりそってあげることの上手さを磨きたい。
本当にいい先生になりたいなら、教えるのがうまいこと、伝える力があることは基本装備。
そこから生徒さんが行動したくなる、変わりたくなると思わせること。
実際に行動させたら本物だ。
ここで学んだインストラクション(ガイド)のスキルも重要なのだが、それ以上に生徒さんの心に寄り添える先生でいよう。
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*1:2016年12月1日更新