勝利より、ゲームそのものの楽しさをモチベーションにおくべき。ようは、楽しむことが最高の勝利条件だと思うんだよね。ちょっとそんなことをツイートしたら思いのほか拡散された。対戦型のゲームはとくに勝てば嬉しいし、負けたら悔しい。だけど楽しさと悔しさは同居できる感情だ。
囲碁に限らず、ゲームは「勝利したら楽しい」ではなく「プレイしているときの最高にハイな状態が楽しい」がモチベーションになる。
— かしわばら ゆうた(かっしー) (@YutaKashiwabara) 2016年11月5日
負けても「うはー、楽しかった。またやりたい」と思えることが最強。全力でやりあって悔しいけど楽しさが根底にあれば上達していく。
これが答え。なにかで強くなるための条件のひとつ。
勝利至上主義の終わり
逆に、「勝たなきゃ意味がない」という勝利至上主義者は負け続けると楽しさを見いだせなくなる。だから勝利だけに楽しさを見出そうとするのは危険だし、最終的にストレス溜まってゲームから離れるようになる。
勝利至上主義は、いずれ破綻する。勝てなくなるからだ。楽しさをリソースとする努力はいくらでもできるが、勝利だけをリソースとする努力は長続きしない。
どっちに転んでもいい。もちろん勝った方が嬉しいけど、ゲーム自体が楽しいから負けてもゲームをやめることがない。だんぜん長続きする。
真の勝利条件
真の意味でゲームの勝利条件は「楽しんだもの」が勝ち。だから「勝っても負けても楽しくない」というやつは、そもそも最初っから負けてる。
だから対戦型ゲームの真の勝利条件は両者ともに楽しんで、ゲーム自体を遊びつくすこと。ゲームのスコアが問題ではなく、参加者全員がゲームの面白さを味わうことが勝利だ。人生ゲームなんか、勝ち負けよりも全員が楽しむことのほうが重要じゃん?
人生ゲームや桃鉄なら、仮にビリでも「あー楽しかった」と全員一致で言えるなら真の勝利。楽しいと言わせた開発者も含めて全員の勝利。負けても楽しいと思えるゲームを作った開発者もすごい。まさに修学旅行でやるトランプとかウノでしょ。
そうね、やっぱり楽しくないものをやろうとは思わないものね。
— EXVSシリーズが好きな暁 (@Akatuki_cv_exvs) 2016年11月5日
「勝てりゃいい」は何かが摩耗する
「勝てりゃいい」といって弱い奴と戦ってるゲーマーや棋士は一生下手くそだし、ゲームそのものが楽しくなくなるよ。そりゃ数字では白星増えてても、なにかが自分の中で摩耗してくからオススメしない。
ま、強引に「このゲームを楽しめ」というのはおかしな話だし、自発的に楽しめるまで続けるか別に乗り移ったほうがいい。「勝てなきゃおもろない」教の人間には警告するけど、強引な勧誘はしない。あくまでも自発的に楽しむことが条件。
試合の勝ち負けも大事だけど、やってるだけで楽しいこと。が正解。
Splatoonも試合の勝ち負けも大事やけど、やってるだけで楽しいです
— いん (@Agape_ink) 2016年11月5日
悔しさと楽しさの同居
対戦型ゲームの敵を目の前のプレイヤーとすると「勝ち負け」で判断してしまう。しかしこれでは永続的に楽しくない。「自分の考える最強コンボとパーティーで死力をつくした」ことを勝利条件とするなら、負けても楽しい。悔しさの同居する楽しさもある
「勝つことでしか楽しめない」という思考回路から「ゲームそのものを楽しむ」というものに切り替える必要がある。勝利は誰だって嬉しいから、プレイそのものも楽しめるような工夫をしたほうがいい。
悔しさと楽しさは矛盾しない。負けて悔しいけど楽しかったと思えるやつはアプローチが正しい。「勝って喜ばなきゃ楽しめない」という思考はマジで危ない。アプローチを変えることを勧める。
だって人生ゲームみたいなのを「勝たなきゃつまらない」なんて、幼児の思考じゃないですか。ぼくは負けても楽しいもんだと思うよ。
スコア系ゲームの場合
スコアを伸ばすのではなく、曲そのものを楽しむと音楽系のゲームは上達する。太鼓の達人*1とかね。もちろん技術の勉強も必要だけれど、楽しんでいないとやろうと思わないからな。
好きな曲をスコア気にせずやる。とかして気分変えるとゲームが続く。楽しいことは集中しやすい性質なので、結果的に練習密度が濃くなる。
![太鼓の達人[初代]アーケード筐体 (1/12スケール プラスチックキット) 太鼓の達人[初代]アーケード筐体 (1/12スケール プラスチックキット)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51a79hZ2KIL._SL160_.jpg)
太鼓の達人[初代]アーケード筐体 (1/12スケール プラスチックキット)
- 出版社/メーカー: ウェーブ
- 発売日: 2011/12/28
- メディア: おもちゃ&ホビー
- 購入: 1人 クリック: 55回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
シーンの活性化
「このゲームおもしろいよ」と広まり、シーンが活性化することがさらなる勝利条件。活性化すればおもしろいやつがドンドン出る。アホみたなプレイで笑わせてくれたり、魅せプレイで沸かしたり。だから楽しむことで「くっそおもろいシーンを作る」ことにもなる。ポケモン、マインクラフト*2しかり。
負けたら楽しくないなら、戦争
「負けたら楽しくない」ではゲームというより戦争になる。誰もが楽しみとしてはじめたゲームが、ストレスの素になるからです。少なからず、健康にも影響は出ます。
勝てないと面白くないものは戦争だってのは言い得て妙だと思う
— キース(佑季) (@yuki_kiesling) 2016年11月5日
これがなくなると戦争になるのだ https://t.co/yyC3D0NJ3g
— クルメガ㌠@腹ペコ鳥頭 (@coolmeganeJA) 2016年11月5日
相手を楽しませる勝ち方
遊戯王みたいなカードゲームなら、相手も楽しめる構築してる人すげえと思う。ポケモンもそうだけど、相手イラつかせるより楽しませるパーティ組める人はよくわかってる。接待ではなく、お互いに楽しんで終われる勝ち方を選択すること。
楽しませる、そこにいる人たちが楽しいと感じられる場所を作ることが上級者にも必要かな。囲碁の指導碁みたいな。
まとめると、勝つことの前に楽しむことを勝利条件に置くと上達が早まるって話ね。科学的にも根拠あって、モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫)を参考にしていただけると幸いです。

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫)
- 作者: ダニエル・ピンク,大前研一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/11/20
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (1件) を見る