ジェイ・ブラウン(J.Brown)とは
ジェイ・ブラウン NYのハートオブヨガシニアティーチャー。15年におよぶ指導歴と、多数のヨガスタイルに触れてきて、呼吸を中心に据えたセラピューティックなヨガのアプローチに行き着く。
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 21, 2016
ヨガ講師トレーナーだけでなく、ライターとしても活動し、ニューヨーク、ブルックリンにあるAbhyasa Yoga Centerの創設者でもあります。
ヨガを教え続けて15年になり、中でも、生徒一人一人に合った実践的なヨガの指導や、呼吸を重視した癒し効果の高いヨガを教えることに定評があります。
アシュタンガ-ヴィンヤサ、アイアンガ―、シバナンダ、デシカチャー、クリシュナマチャリア スタイルのハタヨガの熟練者として、これまでに、Alison West (Yoga Union認定)、 Richard Freeman、Swami P. Saraswati (Rishikesh-India)、Katchie Ananda、Mark Whitwell (Heart of Yoga 認)に師事してきました。J.ブラウンによるハート オブ ヨガ ワークショップ開催決定!|<東京> | イベント・資格講座 | yoga generation [ヨガジェネレーション]
ぼくのヨガの先生で、ヨガ観を大きく変えてくれた人。アメリカで最もすばらしいヨガティーチャーの一人。単純なティーチングスキルがどうこうというタイプの先生ではなく、純粋に愛を持って生徒に接することができる偉大な人。特別ぶらず、いたって普通の、人間味あふれるところがすばらしい。
ジェイ・ブラウンは若い頃に母親を亡くし、悲しみに明け暮れながらヨガに打ち込んでいたが、師であるマーク・ウィットウェル*1に「街へ出てガールフレンドをゲットしたら?」というとても現実的なアドバイスを受ける。やがて、悲しみを克服するために瞑想やヨガに打ち込む毎日から、抜け出すことができた。
ジェイ・ブラウンの言葉
ぼくが何度かジェイと話したり、ディスカッションをしてきた中で聴くことができたことを、まとめました。多少、ぼくなりの訳し方で書いている部分もあるため、実際に会って話をすることをおすすめします。彼のすばらしさは文章よりも、実際に顔を合わせることで理解できます。これは事実です。こんな記事を読むより、まずはワークショップに参加してみてください。
ヨガの練習について
Gentle is the New Advanced
穏やかであることは、新しい上級のプラクティスです
彼のスローガンはこの一言で言い表されている。ぼくはすごく好きだ。他にもいくつかあるが、一番、気に入っている。
ジェイ・ブラウンはいっていました「筋肉が安心していて初めてなめらかに伸びます。負荷がかかっていると防御システムが入るから、身体が限界なのに力をかけるのはケガにつながります」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 20, 2016
まず、無理がなく、力みがない状態を目指しましょう。ヨガの言葉ではスッカ(快適さ)を意味します。
ジェイは言ってました。「ありのままとは、宇宙、星、月、太陽すべてが調和し支え合うこと。その一部であり。それを満喫していること。アーサナをすることで自然体に戻ります」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 20, 2016
ナチュラルステイト、自然体、ありのままの状態でいることは、生命として最高に力を発揮できる状態です。特別になることじゃなく、普通でいればいいんです。アーサナはあなたを通常の状態に戻すのに役立ちます。
ジェイは言ってました。「プラクティスを続けると、最良のチョイスを取れるようになります。ヨガで減量するというよりはね」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 20, 2016
ヨガで痩せるというより、ヨガをすることで食べ物やライフスタイルにおいて最高のチョイスをできるようになります。結果、体重が落ち着いてくるというもの。過酷な減量では断じてありません。
ジェイは言ってました。「(難しいポーズをやりたがる人に対して)今できているポーズに安定性や、心地よさのクオリティを上げましょう。前に前に進もうとするのではなく」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 20, 2016
難しいポーズに進もうとするのではなく、今のポーズに安定感をもたらしましょう。安定して行うことができるのなら、自然とヘッドスタンド(シルシャーサナ)のような難しいポーズをやる土台ができていきます。そして、ポーズが心地よくなるような探求の仕方をしましょう。
ジェイは言ってました。「(ポーズを激しくしてしまう人に)よりセラピー的な、身体をコントロールできていること。やりすぎでなくて負荷をかけていない状態。やみくもではない笑顔の余裕で。自分の舵をとっていて、追い込んでいないこと」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 20, 2016
自分を追い込むような練習はいずれ、怪我を招きます。ジェイ・ブラウンは過去にアシュタンガヨガの難しいシリーズの中で、膝を大怪我してしまう事故を起こしてしまいました。それは、もっと先へ進まなければならないという考えのもとで練習を続けていたからです。やみくもではない、笑っていられる余裕をもったプラクティスをしよう。
ジェイは言ってました。「本人が自分のプラクティスをして、自宅でできるようになったら最高の喜びです。スタジオの人は減ってしまいますが、それがいいヨガの先生の証です(笑)」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 20, 2016
本当にいいヨガの先生のレッスンに、人は集まりにくいものです。武道館をいっぱいにするようなスーパースターではありません。長年来ていた人が来なくなったら、それは自分のプラクティスが始まったという証拠です。
ジェイは言ってました。「ヨガにおいて上級とはクレイジーなポーズができることではありません。その体の中に、その人が静かに心地よくいられることです」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 20, 2016
そのポーズをとっているとき、心が笑っていられる状態にあることが、ヨガのポーズができていることの証だとぼくは思う。難しいポーズができることに大した価値はありません。ぼくも、ジェイも、難しいことができたからこそ、ここにいたりました。
自分自身を枯渇させたり、ガチャガチャとかき鳴らすような練習はやめましょう。自分をなにかにねじ込んだり、押し込むようなことはやめにしよう。
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 20, 2016
もっと慎重に、丁寧に自分に合わせていこう。
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 20, 2016
ジェイは言ってました。「穏やかに、シンプルに。力強さと心地よさに重きをおきましょう。そうすると自分がどうなるのか予測しやすいですよね」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 21, 2016
ジェイは言ってました。「身体を使うことと、身体を酷使することは違います。自分の心の状態をみればどちらかがわかります。」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 20, 2016
体を酷使することを取り除いていこう。体に心地よさを与えることを許そう。「Gentle is the New Advanced」穏やかでいることは、新たな挑戦だ。
心のあり方について
ジェイは言ってました。「裏表のなさ。正直でいること。自分に嘘をつかず、プラクティスでも。それが正直(サティア)です」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 21, 2016
正直(サティア)でいられることは、とても大きなことだ。まず、自分のプラクティスのなかでは自分に対して正直にいよう。やりたくないポーズは休む。きついと思ったら遠慮なく休む。ポーズを変えるか、なんなら眠ることでもいい。そして、裏表なく人に接することができれば、苦しむことが減る。
いくつかの顔で人に接するのではなく、自分というただひとりの人として、人に接しよう。ジェイはレッスンでスタジオにいるときも、ふだん娘さんに接するときも同じ自分でいる。別人の仮面をつけず、どこでも自分でいられるように。ヨガのプラクティスはそれを助ける。
ジェイは言ってました。「混乱は一つの明晰さです。疑問や質問から、指導ができます」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 21, 2016
ぼくとジェイの先生である、マーク・ウィットウェルがいて、その先生がT.K.Vデシカチャー*2という。T.K.Vデシカチャーは偉大なヨガの指導者で、これとよく似た説明をしていたそうだ。
ジェイは言ってました。「自分らしいところへ、真ん中に立ち戻る日をもちましょう。自分のマインドを操りやすくなります。調子が悪いときでも、今どうなっているのかわかるスペースが増えます」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 21, 2016
ジェイは言ってました。「大切な人といると、自分らしいとこへ立ち返ることができます。ですが、その人が自分を見失っていたら、本人らしくいられる場所を作って、力になりましょう」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 21, 2016
ジェイは奥さんが自分に立ち返るための時間をとってもらうべく、アトリエを家に作ったそうだ。なかなかアトリエにこもる時間が取れなくて困ってるといってたが、環境を整えて待つことも大切なことだ。
ヨガの指導について
ジェイはいってました「なんであえて科学的根拠を話すのかというと。ヨガに固定観念を持つ人に、特にアライメントなどにこだわりを持つ人にも、正しい知識で語り口を変えていけば、わかってもらえるからです」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 20, 2016
指導において固定観念に囚われた人を相手にすることも多い。正しい知識と、丁寧な語り口で伝えれば固定観念を取り払って、新しい方法に目を向けてもらいやすい。
ジェイは言ってました。「ぼくはクラスで誤解を招かないように、何をするのかを三つにわけて伝えています。体を追い込まないこと。呼吸を中心に据えること。自分の練習であって、比較をしないこと」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 21, 2016
これはハートオブヨガの特徴を端的にまとめたすばらしい例です。
体を酷使しない。これは最初にも取り上げましたね。そして呼吸を中心に据えること。これもハートオブヨガの基本です。なによりも、自分の練習をしてもらうことです。そこでは誰とも比較しませんからね。
ジェイは言ってました。「intimacy(親密性) を自分のプラクティスの中で育み、等身大の自分を愛しましょう。生徒に対しては一人一人に敬意をもって大切にされている、見てくれていて、愛されていると伝わるように」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 21, 2016
プラクティスのなかで自分に正直に練習すること。上記の3つを意識して自分も練習すること。そうすることで自分に対しての親密さを築くことができます。自分に対する親密さが持てる人は、他人にも親密さをもって接することがしやすくなります。もちろん、人の好き嫌いはありますが、以前よりも良い方向に変化していることでしょう。
ジェイは言ってました。「個を重視した人と人のコミュニケーションを持ちましょう。人と人の関わり合いでヨガは伝わります」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 21, 2016
ヨガの部屋に入ってきて突然「レッスンの時間です」といって始めるヨガインストラクターと友達のような関係性は築けるだろうか?少しでも「気分はどうですか?」と声をかけることができるなら、小さなことに思えますが大きな違いになります。ヨガはもともと人と人が話をするなかで伝わってきたものだからです。
ジェイは言ってました。「ヨガマットの上で快適さや心地よさ、休息を与えること、笑顔でいることを許しましょう。それでマットを降りてからのマインドにも変化が出ます。人生を満喫するゆとりがもてます」
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 21, 2016
あえてヨガ指導のとこに持ってきたのは、ヨガを教える時もヨガを練習するときも穏やかでいたいからです。前に立つ時も、マットの上にいるときも同じ自分でいましょう。プラクティスで自分に快適さを許すこと。ティーチングの場面においても同じです。それは生徒に伝わり、クラス全体に波紋のように広がって変化が起きます。
ぼくがジェイと初めて会ったとき
ハートオブヨガのティーチャートレーニングを受けに東京へ足を運んだ。数日にわたる長期のトレーニング、緊張もするし、わからないことだらけ。抱えている疑問を解決できるのか、不安でいっぱいでした。そんなぼくでしたが、不思議と、ジェイと顔を合わせたときに「ここでならぼくの問題は解決する」という確信にも似た直感を得ました。
彼は一人ずつの悩みや問題を聞いて、答えていくディスカッションを通じて問題を解決していきました。いままでの黒板の前に立って講義をするような、学問的な空気はまったくありませんでした。それは彼の指導スタイルにも深く現れていました。ヨガは学問ではなく、純粋な癒しであると実感しました。
数日のトレーニングが終わり、ぼくは不思議と、問題に立ち向かえる勇気を手に入れていました。なんでも解決できるわけではありません。でも、多くのことはどうにかできそうだという勇気がそこにはありました。これはヨガでいうところのシャクティ・パッドというそうで、ヨガの師から弟子に勇気をもたせるものです。このことは後で知りました。
その後もたびたび東京でのトレーニングやフォローアップのたびに顔を合わせ、進捗状況を聞いてくれました。ヨガの練習はできているか、指導はどうか。まるで長年の友人のように安心して接することができました。ジェイは普通の人でした。特別にふるまわず、至って普通ということが、逆に特別でした。それは難しいことなのです。
ぼくにとってのヨガの先生はジェイ・ブラウンです。もちろん、他にも先生はいますし、尊敬しています。そのなかで唯一の師をあげるのであれば、彼なのです。ラマナ・マハルシ*3は言っていました。
複数の師の中に、一つの師、すなわち神を見出しているのです
ぼくにとって、ヨガの先生たちは尊敬と、友情と、愛情をむけることのできる存在です。まったく高圧的でなく、誰もがフラットです。そこには上下関係がなく、友情があります。もし、あなたがヨガの勉強で迷っているなら、ジェイをおすすめしますよ。彼は本物のヨガの先生だと保証します。
でも時間が合わなかったり、距離の問題で会えないというのであれば、ぼくのほうで通話でのコンサルティングをしています。ジェイがぼくにしてくれたことを、1対1でお伝えします。すでに3名に受けていただき、変化を感じていだいています。地方在住で東京のトレーニングには通えないという人に、ぜひ。
ジェイのプラクティス動画です。
J. Brown Yoga - The 7 Minute Practice With Extra Teaching Commentary
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