胸が痛くてならない。自分と変わらない年齢の女の子が過重労働が原因で亡くなるなんて、あってはならない。戦争はなくなったが、自殺は目に見えて増えた。
追い込まれている人ほど、助けを求める余裕がない。ぼくも似た経験がある。もしあの状況が数年続いていたら、ビルの屋上か駅のホームからヒモなしバンジージャンプを決めていた。
正社員を殺さないようにしてくれ。頼むから。
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 8, 2016
日本は休息をとることの重要性を草の根レベルで知らしめる必要がある。
ブラック体質で12時間働かすより、ホワイトに6時間働く方がずっといいサービスは作れる。
追い込まれる人は患部
こういった追い込まれる人は疾病における患部と同じで、原因は他にある。彼女自身は何も悪くない。精一杯やっていたはずだ。精一杯すぎるほどに。
たまたま彼女がその症状として自殺という行動にうつった。胸がいたい。その患部が切除されても(退職なり過労でいなくなっても)他の部位に問題が押し付けられる。
優秀で優しい人ほど、「努力が足りない」とか「もっと勉強してこい」と言われがちだ。ぼくは自分を優秀とは言わないが優しい性格が災いしてか、仕事外の時間に「マニュアルを勉強してこい」とか「このレシピを全ページ暗記してこい」みたいに押し付けられてしまっていた。
寝る時間も取れない生活を送ってるのに、そんなことできるだろうか?この前自殺してしまった彼女も、きっと同じ思いだったと思う。
情けないのは
ある大学教授が「残業時間が100時間を越えたぐらいで自殺するのは情けない」って言ってたけど、根本がブラック体質なんだろうな。この平成のご時世でもなお、こういう考えが抜けてない人がまだまだいる。たまたまTwitterやってたから明るみに出たものの、そうでない人はきっと多い。
「残業時間が100時間になるほど仕事の采配ができない企業は情けない」と言ってくれれば、まだよかった。仕事を任された彼女は、死ぬ気でやったはずだ。そろそろ、企業はこういう体質を毒抜きしないと。こんな環境に置かれてる人たちが作った広告やサービスが、果たして人を幸せにするだろうか?
電通の過労自殺のことで大学教授が炎上したけども
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 9, 2016
「残業時間が100時間を越える仕事の采配ミスと教育のできない無能ばかりで情けない」
って言ってくれたらよかったのにと思いました。
犠牲を出しても、いいものは生まれない
家族だって犠牲者だ。数千万円の教育費、いや、お金に変えられないものを注いできた娘が壊されるのだから。これから花開くはずの貴重な宝ともいえる娘を、たかが企業が壊していいはずがない。
仮に自殺まで追い込まれなかったとしても、将来ある人間が消耗してどうなる?いいサービスは生まれっこない。少ししたら、彼女も結婚をしたり、家族とともに暮らしていたかもしれない。
数百万、数千万というコストをかけて経験値ふって、20年以上かけて手塩にかけて育てた子どもが、ブラック企業ひとつに潰されたらたまったものではない。
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 9, 2016
生きてるだけで、がんばってる
いつも周りの人にこんなことを言ってる。ぼくらはただ生きてるだけで、充分にがんばってる。そこにいるだけで、努力をしている。もう、それ以上にがんばるべきことはないし、休息を与えることを自分に許そう。
たとえ環境がそれを許さなかったとしても、自分だけは自分の味方でいよう。究極的に、あなたを最後まで守れるのはあなただ。
絞り尽くすような追い詰め方で自分を責めないこと。
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 8, 2016
つつみ、守るような慈愛で自分を癒すために集中すること。 pic.twitter.com/Di4qqXBSXp
心の優しいあなたほど
心の優しいあなたのことだ。逃げることや辞めることに責任を感じたり、周りへの迷惑を考えてしまうだろう。大丈夫だ、組織はなんだかんだで回るようにできてる。仮に首相が1人くらい蒸発しても、すぐに代わりが現れる。シン・ゴジラでも首相がすぐ入れ替わったらしいじゃん?
それに、そんな体質の企業は淘汰されて当然だ。なくなってもそこで働いている人はほかの仕事につく。仕事の変わりはあっても命に変わりはない。自分がガマンすれば良くなると思うだろうが、そんなことはない。むしろ悪化する。
ストレスを溜め込んで自由時間も休憩もとれず、睡眠を削って20万稼ぐことに何の価値がありますか?
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 7, 2016
一人暮らしするなら、手取り13万もあれば充分すぎるくらいです。
仕事を半分にして、空いた時間に副業をすればいいんです。
仕事を続けすぎると悪化する
ぼくがブラック体質の企業の中で働いていたときのことを話そう。
今でこそフリーでヨガ講師をしているが、こんなぼくも正社員を目指していた時期があった。とある喫茶店を展開している企業で、あなたも1度くらいはそこの系列が出しているコーヒーを飲んだことがあるかもしれない。それなりに知られた全国展開された企業だ。
はじめはアルバイトで入ったが、業務態度や仕事の覚えがよかったため正社員にスカウトされるようになった。そのときはまだ楽しかったし、スケジュールもゆとりがあって精神的にも余裕があった。片手間でヨガ講師をしながら喫茶店でコーヒーを淹れ続ける人生も悪くないかもしれないと脳裏によぎった。
しかし仕事を覚えて試用期間が終わるとますます任される仕事が多くなってきた。喫茶店は朝早くから始まるし、当時はダブルワークだったので一気にスケジュールは圧迫された。気がつくと二つの仕事をあわせて17連勤というふざけたスケジュールもあった。睡眠時間は4時間しか取れない日がほとんどだった。どちらかが休みでも、もう片方は入っているので半休の日も布団から出られず寝ていることが多かった。
さらに過酷な環境に
仕事覚えがよかった分、早い段階で責任を負う業務を任されるようになった。バリスタとしてコーヒーを淹れる役割ばかりを任されるようになった。普通は光栄な話だし、憧れるものだけどそこはちょっと違った。普通の喫茶店に比べて圧倒的に席数が多く、デパートから流れてくるお客さんで休日はあっという間に100人は入れるテーブルすべてが満席になった。
すべてのコーヒーがハンドドリップ式*1だったので用意するのに時間がかかりすぎた。どう考えても渋滞する業務内容だというのにバリスタの役割を担える人物があまりに少なく、道具も1人分しかない。キッチン内は悲惨を極めた。
だんだんと体調や精神面を崩すことが多くなり、休日は丸一日引きこもるようになった。スカウトされていた正社員の枠は当然見向きもしなくなり、1日でも早くやめることだけを考えるようになった。もしここで他に働く道や夢がなかったら、辞めるに辞められなかったかもしれない。
睡眠は4時間ほどしかとれず、食事をとる暇もない生活。仕事では8時間働いても休憩が取れない。スタッフは多忙に目を回してクレーム処理に明け暮れる。こんな生活はどう考えても異常だが、中に入ると異常性に気がつかなくなる。環境は精神を簡単に蝕んでしまう。
しかし激務から体調と精神に不調をかかえ、喫茶店での仕事を断念しました。
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 7, 2016
以来、ヨガ以外の仕事はしていません。
休息のためのもの
でもコーヒーを美味しく淹れる技術が身に付いたから、それは感謝している。最近はこの二つを使っている。紙を使わないからエコだし、面倒が減る。
コーヒーは休息のためのものであって、自分を追い込むためのものじゃない。

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休息を与えることを許す
これは何度でも訴えよう。自分が抜けても、ちゃんと回るように組織はできている。回らないのだとしたら仕組みがおかしいのだから潰れてしかるべきだ。そこで働いている人だって、探せば別の仕事もある。なにより、命に代わりはない。
どうぞ自分に休息を与えることを許してください。睡眠や食事の時間、恋人や友人と楽しく遊ぶ時間は生きる上でお金以上に必要です。あなたがもっと休息をとりながらはたらける環境は必ずあります。給料は一時的に減っても、将来の給料は圧倒的に多くなります。なぜなら身体を壊せば結果的に給料はゼロ、いや、マイナスになるからです。
あなたは生きているだけで努力してる。
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 8, 2016
あなたはあなたのままで充分にすばらしい。
もし、社会が更なる努力を課してきたとしても、あなたという生命体の完璧さは失われていない。
がんばって解決しない問題のほうが多い
ブラック体質にありがちなサービス業は「がんばりましょう」「そんなんじゃダメですよ」「もっとやらないと」というプッシュすることばかり。
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 8, 2016
今のあなたを否定するとこから始めるから、精神的に疲れきってる人にとっては毒でしかない。
実はがんばればがんばるほど、うまくいかないこともある。がんばらないことが解決策になることはたくさんある。まずは、今の自分が十分すぎるくらいがんばっていることを認めること。今のあなたをハグするように褒め称えること。
ちょっと、極端な考えだけど
家賃とかあんま払いたくないんで、室温管理と水道設備の行き届いた犬小屋で暮らしたい。
— 柏原ゆうた (@YutaKashiwabara) October 10, 2016
1畳あれば充分。
かなり極端だけど、男一人なら雨風がしのげて気温にやられなければ1畳のスペースがあれば十分。それこそ頑丈なテントとか。やったことはないけど坂爪圭吾さんなんかはリアルにホームレスやってたわけだし。荷物だってPCとタブレットがあればなんとかなる。着替えだってちょっとあれば十分。洗濯板で洗うこともできれば、コインランドリーだってある。実際に洗濯板で洗濯した時期があるけど、ちゃんとキレイになるしスペースもとらない。冬は地獄だけど。
「野垂れ死にこそ、男のふるさと…」「オウム、シャーンティ、シャーンティ、シャーンティ…」「死ななきゃいいんだ、死ななきゃとりあえず…」「スローリー、オールウェイズスローリー…【女は波…男は海…女は波…男は海…】」などのマントラを繰り返した。
野垂れ死にこそ、男のふるさと。 - いばや通信
本だってそう何冊も必要ない。どうしても手元に残したければ自炊*2してタブレットに入れればいい。
「自分が所有している本は、(当たり前だけれど)自分しか楽しむことができないじゃないか。私が素晴らしいと思っている本は、もっと多くの人に読んでもらえた方が、何かこう素晴らしさが世の中に知れ渡っていって、より一層の素晴らしいものになるのではないか」
【生活に最低限必要な10の荷物】所有物を減らすと圧倒的に身軽になる。ー 選択肢を増やすことが自由ならば、選択肢を減らすことも自由なのだ。 - いばや通信
電気は自力で発電できないわけじゃないし、水道だって極端な話、公園の水道を使うこともできる。濾過の性能の高い、持ち運べる浄水器だってある。たしかあるブロガーさんがこの発電機を使って運動不足を解消していた。
随分脱線したので話を戻そう。
ぼくらは生きているという事実だけで、がんばってる証拠だ。これ以上、苦しんで努力しなければならないことはない。神さまがいるのだとしたら、これ以上は望まないと思う。
No painで生きる
「No pain No gain」(苦しみなくして成長はない)
という言葉があるが、それはウソだ。赤過ぎて青いくらいの真っ赤なウソだ。幸せが先立ってから、人は成長する。そうでなければ「家族の笑顔」や「デートが楽しみ」といったモチベーションで成長していくことはどうなる?幸せを出発地点に成長すればいいじゃないか。苦しみが先立って成長があるのだとしたら、誰も成長したがらない。
成長するためには苦しんで耐えないといけないと言うのが、努力教の人たちは口を揃えていう。そうだろうか?スポーツが楽しくなければ誰が極めようとするのか。確かにトレーニング自体はきついこと。だけど最近になってちょっと違った考えが出てきた。
ライオンは鍛えない
イチロー選手やダンサーのケントモリをご存知だろうか?彼らは身体を大きくするためのトレーニングはしていません。両者ともに世界の現場で活躍してますが、こんな言葉を残しています。
ライオンや虎が狩りの前にトレーニングしたり、ストレッチをするか?
そう、しませんよね。動物は食べて、よく寝て、身体をケアしています。
苦しいトレーニングが成長させるのは錯覚かもしれません。現に、鍛え抜いた大きな身体の選手が関節に支障を抱えて引退することは多い。それは種目が過酷だからではなく、ケガをすることが当たり前だと思っているからです。重くなった身体は自然に持っているバランスを崩します。
楽しみなくして成長はない
どんなスポーツも楽しいから続くもの。仕事も同じで、楽しさを感じられないなら続かず成長しません。苦しいならやり方が間違ってるか、環境が狂ってるからです。苦しいことで成功すると、もっと苦しくなります。
「じゃあ怠けてもいいのか?」と努力教の信者たちはいいます。誰が怠けろといった?楽しいことは、楽をすることではない。練習や仕事を楽しむことが秘訣。鎖で締め付けるわけでも、ダボダボのスウェットを着ることでもない。アイロンのかかったシンプルな白シャツに身を包むような感じだ。
もう消耗しなくていい、あなたはあなたのままで充分
あなたはあなたのままで完璧だ。もう充分すぎるほどにすばらしい。苦しみに耐えて自分を高めなくていい。そのままでいい。それを理解できたら自然と自分の奥にある力が後押ししてくれる。努力をしている実感がなくても、自然と成長する。命とはもともとそういうものだ。
もし、実感がわかなければ、この事実をなんどでも繰り返そう。たぶん、ぼくは一生かけていろんな人に伝えていこうと思う。もし、なにか不安があったり、助けて欲しいというときは、遠慮なくコメントやメッセージを送ってください。
人の相談に乗ったり、カウンセリングとはちょっと違った視点から人の悩みを解決していくヨガを教えています。もし、興味がわいたらいつでも連絡くださいね。では。