今週のお題「卒業」
全国各地でヨガ指導者養成講座に参加し、卒業するヨガインストラクターのタマゴたち。中にはヨガインストラクターにならずに、ヨガの学びを深めるだけという人もいる。
ここでは大多数である、ヨガインストラクターのタマゴに考えて欲しいことがある。ROEという言葉を知っているだろうか。軍隊で使われる「rules of engagemen(交戦規定)」ではなく、投資家や企業が使う「自己資本利益率(return on equity)」のほうだ。
ROE「自己資本利益率(return on equity)」とは
カンタンに説明すれば、「かけたお金に対して、どれくらいのリターンが得られるか」というものがROEだ。僕が21かそこらのときに、起業して社長になった先輩から教えてもらったことがある。
「この自己投資はどれくらいのリターンになるのかを考えていったほうがいいよ」
数年ほど、この言葉を忘れかけていたのだが、本でROEという単語をチラッと目にしてから思い出すに至った。自己投資をしているのに、なぜか儲からない、利益が得られない。こういうことに覚えはないだろうか。
ヨガ指導者養成講座を受けてみたはいいが、いざ卒業するとリターンのない学びになってしまっている。これでは、かけたお金が返ってこないではないか。これが企業であれば、「投資してみたが、1円の稼ぎにもならなかった」というリストラものの被害である。
合理的で、資本を追い求めることが役割である企業役員たちから見たら、非合理的で無駄な金と罵るにちがいない。あなたは、指導者養成講座やワークショップに金をかけたはいいが、リターンゼロの非合理的な結末を迎えていないだろうか。
ここで、ケーススタディといこう。
あなたは40万円の指導者養成講座を受講した、ヨガインストラクターだ。幸いにも教える場所を提供してもらえた。ひと駅離れたスタジオで、レッスンを持つことができたが、講座にかけた投資を回収するには何週間(何本)必要か。細かい雑費や税金はすべてないものとする。
- チケット1枚あたり1500円のレッスン。これを毎週1本開催。
- 場所代などに1人あたり500円取られ、チケット1枚あたりの収益は1000円。
- スタジオまでの電車代に往復400円かかる。
- 1レッスン平均3人の生徒が集まると仮定。
これを計算すると
- (1,500-500)×3人-400円=2,600円
- 2,600円×4週間=10,400円
- 400,000÷10,400=約38ヶ月
とまあ、3年以上の月日がかかってしまう。
これを1年で取り返すとしたら、同じ条件で教えられる場所をもう2箇所、あるいは同じスタジオで2レッスン増やすことがいいだろう。
投資に対して、利益がどれくらいか
必ずしも利益率が同じとは限らないが、卒業してから3レッスン(毎月3万円以上)持てるかどうかを基準に考えよう。「この投資に対して、どれくらいのリターンを得られるのか」ということを考えておくと、これからのヨガインストラクター人生の設計に役立つはずだ。
あるいは、これから新しく受けようとする養成講座への投資が、利益になるのか、利益に変えられるのかどうかを考えてみよう。40万円もかけて、1万円も回収できなければビジネスとしては破綻している。あなたの人生だ、合理的に考えよう。
料金の決め方について
正しい料金の決め方を知っておこう。間違った価格設定では、いつまでたっても投資した金額を回収することはできない。